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BL妄想モード勃発中! トキメキMAXで、随時更新中! 甘く切なく艶めいていく男の子達を ぜひ見てやってください! ~BL(ボーイズラブ)に嫌悪を抱く方の閲覧はご遠慮ください。18禁です。
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「時間が立つのって早いな・・・。」

 ポツリと呟いた匡志(マサシ)は隣の洸(アキラ)の肩を抱き寄せる。

「寒くないか?」
「うん。平気。今は匡志といるから・・・。」

吐く息は白く、3月下旬の夜はまだ真冬の様に寒い。

抱き寄せた洸の肩は震えていた。その理由を匡志は知っている。


「もう少し歩こう。」


人気のない公園はぽつりぽつりと街灯がつき始めていた。

この公園を抜けてしまったら駅はもう目の前だ。


「桜、見れないね。」


見上げた視線の先には街灯に照らされた桜の樹木がぼんやりと浮かび上がる。

何か言う替わりに匡志は洸を抱き寄せ唇を重ねた。

冷たく凍えていた唇は二人の熱で溶けていく。

「そんなキス、ずるいよ。匡志・・・。」

匡志の胸に耳をあて背中に腕を回す。

「いつも、匡志はずるい・・・。」

溢れた涙は冷たい頬をさらに冷たくする。

「洸・・・。」
「電車、遅れちゃう。」

洸は匡志の胸を押して離れた。

「急がないとね。」

涙の跡を気付かれないように前を向いた。

今日の洸は一段と小さく見える。匡志は小さな背中を見つめた。

少しの距離を保ちながら二人は歩いた。

手を少し伸ばせば掴まえる事が出来るのにそれができない。

二人を分かつ駅が見えてきた。そこに向かう人はいない。足音だけが反響していた。

「人、いないね。」

洸はワザと明るい口調でおどけた様に言う。

ゆっくりと階段を上る。そこには予想通り人は誰一人としていなかった。

「やっぱり・・・。田舎だもんね!ここは。」

駅のコンコースに響く洸の声。

「昔、よく料金をウソ付いて捕まったね。駅員さんに!僕は小さいから

           なんとかごまかせたけど、匡志は呼び出しくらっちゃったんだよね。」

フフフ。洸の笑い声は幾重にも重なって聞こえた。

「もう・・・。出来ないね・・・。」

改札の前で立ち止まった。

「ねぇ。匡志。」

「ん。」

一旦俯いた洸は振り向きながら渾身の笑顔を匡志に見せた。

「また、会えるよね?」

つぶらな瞳は潤んでいた。それでも今日は絶対になかないと洸は言った。

匡志の腕は洸を抱き寄せ力の限り抱きしめる。

洸の腕も匡志を抱きしめる。

「そんな風に言うな・・・。」

「匡志・・・。」

「そんな風に言うなよ!!」

「うん。ごめん・・・ごめんね・・・。」

抱き合った二人は互いを忘れない為に温もりを抱きしめた。

改札の向こうに電車の到着を知らせる掲示板が動いた。

「匡志。電車、来るよ。」

「・・・ああ。」

「もう、行きなよ!ほら!」

洸は匡志の背中をグイグイと押す。

「わかったから、押すなって・・・。」

匡志は切符を取り出す。この切符を通してしまったら・・・。

背中を押す手が一瞬、軽くなった。

「洸!」

振り向いた匡志の瞳の中に何も写らなかった。

「洸!!」

心の叫びと同様に懸命に叫ぶ。

何度も、

何度も。

コンコースに響く匡志は洸を求めて走り出した。

いつも自分より先に泣くくせに、一人じゃ怖くて夜道も歩けないって泣くくせに、

一人じゃ・・・恋も出来ないよって泣くくせに・・。

なんで、泣かないんだ・・・。今日は泣いてくれよ・・・。俺の為に・・・。

 

探しても洸の姿は見つからなかった。時計をみる。電車の到着まであと2分。

「バカヤローー・・・!!」

星の見えない夜空を仰いで叫んだ。

 

駅の建物の陰に隠れて必死に探す匡志の姿を見ていた。

息を殺して自分の存在が見つからないように。

「ばかまさし・・・。探しても僕はいないのに・・・。」

匡志の声が聞こえなくなった。

遠くで電車の発車のアナウンスが流れてくる。

「行っちゃった・・・。」

言葉に出すと胸が締め付けられる。

「本当に行っちゃったんだ・・・。」

絶対に泣かないって決めた。

匡志が他県の大学を受けると聞いた時、大粒の涙を流して匡志を止めた。

それでも匡志は自分達の将来の為にその大学に行くと言った。

それを言われてしまったら洸にはどうする事も出来なかった。

「僕は今が大切なんだ・・・。」

いつも僕が泣くと一番に助けてくれた。夜道は怖いと言ったら馬鹿だな。って肩を抱いてくれた。

一人じゃ恋はできないって言ったら俺がいるじゃないかって言ったじゃないか・・・。

「僕を・・・置いて行くなよ・・・」

気持ちはもうずっと匡志を求めていた。今まで誤魔化したけどダメだ。

ずっと行かないでって言いたかった。僕の傍を離れないでって・・・

「マサシ・・・マサシ・・・マサシ・・・マサシィ・・・あいたいよぉ・・・」

 

 

「洸はやっぱり泣くんだな。」

泣きはらした瞳の涙はいくつもいくつも流れ落ちる。

匡志の姿を認めた洸は夢中で縋り付く。

「行かないでよ!僕を一人にしないって言ったのに・・・!バカマサシィーーーー!!!」

握り締めた両手はもう離れない。

「もう一人にしない。」

まさしの胸に抱かれても洸の涙は止まらない。

「恋は一人じゃできないんだろ・・・?」

縋り付いて、抱きしめて、もう一度、恋をしよう。洸と二人で。
 

                         恋愛level 恋の奇跡は何度でも Fin

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末永いお付き合いを・・・。
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