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幸哉と要は並んだベッドに寝かされていた。最初に目が覚めたのは幸哉だった。
そこは見覚えのない天井が見えた。横をみると要が同じようにベッドに寝ていた。
幸哉は記憶をたどり自分が要に体当たりをしそのまま倒れこんだ事を思い出した。
ベッドから飛び起きて要を確認する。物音にきがついた保健医はカーテンをあけた。
「どこも痛くない?」
幸哉は自分の体よりも要の体が気になった。
―こいつ、弓道部の試合が近かったはずだ。
「涼川は大丈夫なんですか?どこも怪我してないんですか?」
保健医は「まだ目が覚めないから確認のしようがない」と答えた。
その会話で目が覚めたのか要が目をあけた。
「大野、お前声でかすぎ。」
上体を起こした時、要の顔がゆがんだ。保健医は幸哉をどかせ要に詰め寄る。
「どこか痛いの?」
要は右足首を指差した。保健医は毛布をはいで要の足首を診察した。足首をもって上下に動かす。
その度に要の顔は苦痛にゆがんだ。
「うん。骨は折れてないね。多分捻挫だとおもう。全治1週間って所かな。とりあえず応急処置しておこう。」
といいながら、シップを取りにいきながら安部川先生にその旨を伝えた。
そのままカーテン越しに顔をだした。
「大野、お前、涼川について病院いってこいや。お前も念のため見てもらって来い。担任には俺から伝えとく。後で荷物持ってくるように言っとくから。」
頭をしまい保健医に「じゃ、お願いします。」といって保健室を後にした。
シップをもって戻ってきた保健医は要の足首に張り包帯で固定した。
つっ立ている幸哉にむかって「肩貸してやって。多分歩くの大変だから。」といって席に戻っていった。
幸哉はベッドに座っている要の近くに寄る。
「ゴメン。俺のせいで・・・。」
「仕方ない。お前のせいじゃない。」
要は幸哉の顔をみずに冷たく突き放した。その態度に幸哉は胸が締め付けられる。
幸哉は今にも泣き出しそうな顔をしていたに違いない。
「そんな・・・。そんな風に言うなよ!」
涙声を聞いた要は幸哉の顔を覗き込む。案の定幸哉の瞳には涙が溜まっていた。
要に対してのすまないと言う気持ちがずっとくすぶり、今の言葉で満杯になってしまった。
「あれからずっとお前と話そうとしていたのに話せなくて、俺、俺は」
そう言いながら幸哉は要の手を握ろうと近づいた。
突然保健室の扉がガラガラと開き中野が飛び込んできた。
「大野!涼川!大丈夫か!?」
その一声に幸哉は驚き慌てて場所を離れた。カーテンが開き中野が顔のぞかせた。
二人の顔をみて「はぁ~」とため息をつく。と同時に保健医が中野に「そんなに大声を出すもんじゃありません!」注意をする。
中野はテヘッと舌をだす。
「二人の荷物持ってきたぞ。」
小さな体で二人分の荷物を抱えて持ってきたことに感謝をする。が、何せ中野のやる事だ。せっかくたたんである制服が見るも無残なしわくちゃだらけになっていた。
要はその制服をみて中野を睨む。理由はそれだけではなかった。
公園の時といい、今のいいチャンスを邪魔ばかりする中野にけが人とは思えないほど元気な口調で叫んだ。
「こんな皺くちゃの制服きてイケルカ!!!!!」
中野は要からの初めての怒鳴り声で命からがら保健室を退散して行った。
幸哉はそんな要をなだめる。
「体操服のままじゃ余計恥ずかしいよ?」
と言い聞かせなんとか制服に着替えさせた。
要は幸哉の肩を借りながら保健室を後にした。

日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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