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「幸哉!!!」
怒りに満ちたその声は紛れもない要の声だった。振り向いた幸哉の顔に涙の後をみた要は隣にいた智弘につかみかかった。
「お前、幸哉に何をした!!!!」
胸倉をつかみ上げあっという間に智弘の左顎へこぶしを突き上げた。
その勢いに智弘は砂利の上に転がる。
歯を食いしばり損ねた智弘は嫌と言うほど口の中を切った。鉄の味が喉や口の中に充満する。
ペッ、と血を吐き出し口元を手の甲でぬぐう。視線は要を睨んでいた。
智弘は怒りを込めた視線を投げた。
「ちょうどいいや。俺もお前を殴りたいと思ってたから!!」
智弘は勢いよく立ち上がり要につかみかかり鍛えられた腹筋に拳を突き出す。
要は倒れこんで膝を地面についた。
「くっ…!」
と短く言い智弘へ青白く揺らめく炎をたぎらせた。智弘は殴った拳の手をぷらぷらとふり、
「なんだ、もう終わりかよ。」
と言い放つ。
不適な笑みを浮かべた智弘は要を挑発した。
要は再び立ち上がりそのまま智弘に当て身をかました。
「ふざけんな!!!幸哉はお前が泣かしていい奴じゃない!!!」
智弘は、バランスを崩した。そこに要の拳が智弘の腹に打ち込まれた。
そのまま砂利の上に倒れた。立ち尽くしていた幸哉は智弘のそばに駆け寄ろうとした。
その瞬間要の腕に捕まった。
「行くな!!」
要はありったけの力を込めて幸哉を引き寄せた。
息もできないくらい幸哉は抱きしめられそして唇を奪われた。
要が泣いている。心が悲鳴を上げていた。
ゆっくりと唇をはなし要の瞳を見つめて胸元に顔をうずめる。
幸哉はそんな要に腕を回して耳元でささやく。
「ごめん。心配かけて。」といい、腕を解いた。
「中野もきっとすっきりしたはずだから。」
いいながら倒れている中野に近づいた。
「大丈夫?」
幸哉は智弘を助け起こした。
「はぁ~…。喧嘩でも涼川に敵わないのか…。俺は。」
智弘は立ち上がりながら汚れた服をぱたぱたと叩いた。
嫉妬の炎が揺らめいている要の瞳をじっと見つめた。怒りよりも何よりも敗北感で一杯だった。
「俺、家蔵が好きだ。だから絶対、諦めない。」
そういい残してきびすを返した。
ゆっくりと歩いていく背中は覚悟を決めた一人の男の姿だった。
幸哉はスタスタと要に近づき要の腰に腕を回す。
「俺、要が好きだ。」
心臓に耳をあて鼓動を確認する。安心したように目を瞑っていく。
「今日は、ごめん。」
そう言って幸哉は要に口づけた。要は幸哉を力の限り抱きしめた。
幸哉を確かめるように舌を口内に滑り込ませる。舌は口内を弄り唾液を吸いだした。
長いキスはゆっくりと夕闇にまぎれて行く。
要の腕は幸哉の腰に回しぐっと力をこめ自分に引き寄せる。
「勝手にいなくなるな…。」
「うん。ごめん。」
小さく頷いた幸哉の顔には安堵の表情が満足げに浮かんでいた。
恋愛LEVEL2 恋の目覚めは嵐に乗って Fin

日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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