[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
廊下に残された要は幸哉の腕をとり廊下の壁に押し付けた。ドカッっと壁に押し付けられた音が周りに反響する。
「何で邪魔した?」
要は幸哉の顔の近くの壁に両手をつき威圧的な態度を取った。
それでも幸哉はひるむことなく要の視線を受け止めた。
「要、気付かない?」
「何に?」
「あの人、要の事好き、だよ。」
抵抗のあるその言葉を口にした幸哉に要の切れ長の瞳が容赦なく突き刺さる。
「だから?」
「えっ」
幸哉はその辛辣な言葉に凍りつく。要はさらに瞳を細める。
「家蔵が俺の事を好きだったらどうしろっていうんだ?」
いいながら顔を近づける。
「付き合えとでもいうのか?」
幸哉は言葉を失う。要にこんなことを言わせたかったわけじゃなかった。
「俺が好きなのは幸哉、お前だ。他の誰でもない。お前だけだ。」
そう言って要は幸哉の唇に重ねる。
「だから、そんな事二度と言うな。」
要は落とした鞄を拾い上げた。
「ごめん」
幸哉は小さく呟いて要の背中の上着を軽くつかんだ。智弘のあの一件で要への疑った気持ちがその言葉に混ざり合う。
-お前、そうやって無意識に俺を煽る。だから俺は
歩きかけた足を止め軽く後ろを振り返る。
-もう、限界だ。
幸哉は振り返った要の視線の意味を読み取れなかった。
それは今まで見た事が無いほど鮮烈なそして強烈な視線だった。
「幸哉。バイト休め。」
「何でだよ。」
「お前んちに行く。」
「えっ…?」
「親いないだろ?」
「うん。」
要は細めた瞳でクスリと笑う。
「お前を抱くから。」
何を言われたのか理解が出来なかった。幸哉が何かをいう前に要は向きをかえ人差し指を立て小刻みに震える唇に軽く触れた。
俯いたまま怯えた仔犬の様に体を小刻みに震わせ立ち尽くしている。要は黒い大きな羽で幸哉を抱きしめる。
「嫌か?」
やめる気などさらさらないが幸哉の反応を見る為口にする。
幸哉は泣きそうになりながら頭を横にふる。要は満足したよう薄い笑みを浮かべ俯いている髪に口づける。
「行こう」
そう言って二人はゆっくりと歩き出した。
相変わらず降りしきる雨は甘美な雫となり二人に降り注いでいた。←ランキング参加中!ちょっといいなって思ったらぜひポチッとお願いしますぅ~。
日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |