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ようやく午前中の授業が終わり昼休みとなった。幸哉はあの日の約束以来、要とずっと一緒に昼を取っていた。
どうしても今日は要と一緒にいたくなかったが避ければ逆に要が不振に思う。
ジレンマの中、机でもたもたしていたら要がやってきた。
「幸哉。昼行こう。」
普段と変わらない様子に幸哉は余計悲しくなる。
―多分、今日だけじゃないんだ。あの女の人といるの…。
いつもと変わらない。
幸哉は立ち上がろうとした時、横から智弘が割り込んできた。
「あっ、悪い。涼川、ちょっと大野、借りていいか?」
一瞬、眉が吊り上り睨むその目はありありと邪魔をするなと言わんばかりだ。
「なんで?」
睨まれた智弘はそんな視線をものともせずあっけらかんと話す。
「ちょっと相談したいことがあってさ…。例の事で…。」
片目をつぶって顔の前で両手を合わせ拝むように哀願する。
「例の件?」
何かひっかかったのか少し感情が和らいだ。少なくとも幸哉の気持ちをどうこうしようと言う気はないらしいと言うことをうっすらと感じてもらえたようだ。
「家蔵の件…。」
少し言いにくそうに智弘は付け加えた。
「夜、大野が俺と会うのと、今、会うのとどっちがいい?」
少し脅迫めいた話だか今は致し方ない。要は即答した。
「今。」
夜はだめだ。と言わんばかりだ。智弘は心の中で小さくガッツポーズを決めた。
「悪いな。他に相談できる奴いなくてさ。じゃ、大野、借りてくぞ。」
と言ってさっさと幸哉の腕をつかんで教室を後にした。智弘に腕を引かれながら幸哉は要を仰ぎみた。
一人残された要は少し腹ただしそうな表情に見えた。ずるずると引きずられながら廊下を歩く幸哉はもう他には何も考えられなかった。
「無理やり悪かったな。」
智弘は前を向きながら謝りの言葉を口にしながらすたすたと階段へむかった。幸哉は横に首を振る。
「中庭と屋上とどっちがいい?」
「中庭」
「よっしゃ。」
といって二人は階段を降りていった。
購買で残り少なくなったパンの中からめぼしい物を物色し購入した。
幸哉は食欲がない。といって買うのを躊躇ったが智弘に無理やり高いチャースペサンドを頼み、買わされた。
食料を買い込んで靴に履き替え外へでた。
朝の霧雨はとうにやんでおり今はただ分厚い雲があるだけだった。
新校舎と旧校舎の間に設けられた中庭は楠木や桜が数本植えられ、木製のベンチが配置されていた。
天気が危ういせいかほとんど人がおらず、見晴らしのよい楠木の下のベンチに座ることができた。
「座れよ。」
手招きをして呼び寄せる。幸哉は言われるがままストンと腰を下ろした。
「とりあえず、飯食おうぜ。」
購買で買った超デカおにぎりを智弘は頬張った。このおにぎりは3つの具がはいっている桜池高校の名物おにぎりだった。幸哉はかったパンを見つめながらゆっくりと話し始めた。←ランキング参加中!皆さんの愛のポチッを。
日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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