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「要が女の人と腕組んでた…。」
智弘は危うくおにぎりを落としそうになり慌てて持ち直した。意外な話に驚きが隠せない。
「だって、お前…、付き合ってるんじゃ…」
「うん…。」
幸哉はうつむきながら瞳はうっすらと開いていた。
「いつ見たんだよ。朝会った時は全然普通だったじゃないか。」
「うん…。その後…。」
手に持っていたパンを包み直しながら鞄にしまった。
「…まだ時間が会ったから、少し遠回りをして要の家を探そうと思って、…6丁目の辺りにいたんだ。でも、要の住所は6丁目って事しか知らなくて、結局家はわかんなかったんだけど…、そしたら歩いて来た2人が要と…」
我慢していた涙が一気に溢れた。
智弘は周りと校舎内をくるりと見回し要がいないのを確認して幸哉の肩を抱いた。
「何かの勘違いかもしんないだろ?親戚とかお姉さんとか妹とか…。」
いいながら大野の顔を覗き込む。幸哉は手の甲で涙をグイッとふき取る。
「でも、違うかも知れない…。」
薄く閉じられた瞳は悲しみだけしかなかった。智弘は幸哉の肩から腕をはずし自分の後頭部をガシガシとかいた。
「まず確認した方がいいと俺は思うけど。」
躊躇いがちに返事をする。
「うん、そうなんだけど…。」
「なんなら聞いてやろうか?」
幸哉はこれには即答した。
「ダメ!絶対!」
涙で濡れた瞳はまるで拾ってください。と言わんばかりの捨てられた子犬のようだ。
「そうだよな…。」
智弘はごめん。と言って残りのおにぎりを口にいれた。
「…こっちこそ、ごめん。心配かけて。」
幸哉は少し赤くなった瞳で智弘へ視線を合わせた。
「話し聞いてくれただけですっきりした…。あとは何とかする…。」
智弘は少し照れながら「そっか…。」といってジュースを飲んだ。
多少の決心がついた幸哉はどんよりと覆われた空を見上げた。
「それより、中野はどうするんだよ?家蔵のこと…。」
それこそ今度は智弘が捨てられた子犬のように幸哉にすがりつく。
「聞いてくれよ!あいつまだ学校にきてないんだよ!絶対、俺の事さけてるんだ…。」
「そんな事ないと思うけど…。」
じろりと睨まれ縮こまる幸哉だった。二人はほぼ同時に深く長いため息をつく。
同じタイミングで顔を見合わせる。
「俺らって、まるで女の子みたいだな…。」
苦笑いで幸哉は返した。
日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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