恋愛LEVEL6 恋の囁き心の呟き Love Step9

思いがけず佳之と少しの間でも手をつなぐことができた智弘は心がウキウキしていた。
デパートからスタジアムまでの間にホットドックが売りのチェーン店『KingDog』があった。
メインで長い物なら５０ｃｍのホットドックも作るらしい。もっとも、それは完全予約。
智弘の夢はそれを食べることらしい。
「いらっしゃいませ。店内でお召し上がりですか？」
店員のにこやかな対応に素早く智弘は反応する。
「俺３０ｃｍのチリペッパーあらびきポークのレギュラーセットにする。佳之は？」
「アハハ！さすが智弘だネ。僕は２０ｃｍのホットチリペッパードックのレギュラーセット。」
「お飲み物は？」
「おれは…コーラ。佳之は？」
「智と同じで。」
ほどなくしてトレーに乗せられたセットを手に席についた。
「うまそーー！食べようぜ！」
「うん。」
できたてを口運ぶ智弘は満足げに頬張る。
「うん、うまい！」
「おいしいね！智のちょーだいよ。」
といいながら小さな口を目一杯あけている。
―これって…アーンのポーズ！？なんて、なんて、大胆な！！
大きな口を開けてはいるが下品な開け方ではなく、なんかこう色っぽい？
智弘は頬を上気させながら佳之の口へホットドックを食べさせてあげた。
一口頬張ると満足した佳之は自分のホットドックを智弘の口に運んできた。
「うん！おいしい！じゃ、僕のもどうぞ！」
―えっ？いいのか！？佳之！！
目も前に差し出されたホットドックにかぶりつこうとした智弘は佳之の罠にハマってしまった。
ひょいとひっこめられてしまったのだ。
「フフフ。残念でした！でも、後で違うの食べれるからいいよね？」
―くぅーーー！！それって、それって佳之ぃーーーー！アレの事なのか！！！！

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