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高校2年の春、大野幸哉は本気の恋を体験する。
始業式がおわり生徒達は自分達のクラスへ入っていく。
幸哉は2年B組だ。校舎の3階の端の方に位置する。学校は小高い丘の上に建てられていた。
空気は柔らかく思わず眠気を誘われてしまいそうな陽気だ。校舎の中は新しい学年への期待と春の陽気とで浮かれている。
幸哉は自分のクラスへ入り、しばらくきょろきょろとしていた。教室を見渡してみればどうやら好き好きに座っているようだった。幸哉は窓際近くの開いている席の一つに腰掛けた。
その隣には一人の男子が席につき本を読んでいた。
席に着き誰か知り合いはいないか見渡してみるがまだ見知った顔はなかった。仕方なく幸哉は机に頬杖を着き窓の外を眺めていた。
窓から一陣の風が入り込んだ。
窓際に座っていた彼はその風にあおられた。春の日差しに照らされた薄茶色の髪はさらさらと流れる。顔にかかった髪を。陽の光が眩しいのか切れ長の瞳は時折目を細める。男子とは思えない肌の白さだ。薄い唇は少し冷たい印象を持つがほんのりとピンクに色づいている事でだいぶ和らいでいるようだ。顎の辺りもすっきりとし、ルックスはまったく文句のつけようがなかった。全体的に丹精な顔立ちだ。幸哉の目はその彼から逸らす事が出来なかった。彼に見ほれてボーッとしていると幸哉の前の開いている席に一人の男子がやってきた。
「よぉ。俺、中野智弘って言うんだけど、大野君だろ?」
声をかけてきたこの男子生徒は短く刈り上げた黒髪で黒く日焼けしていた。張りのある声は教室内に響き渡る。幸哉はどこかで見たような気もしていた。
「そうだけど、なんで名前知ってるんだ?」
中野はニカッと笑いながら言う。
「同じ中学なんだよ。で、顔と名前は知ってたわけだ。」
幸哉と自分とを交互に指差す。幸哉は中学の記憶を引っ張りだす。
「あ~。サッカー部の。」
満面の笑みで喜ぶ。
「そうそう!知ってんじゃん!」
中野の大きな声は教室中に響き渡る。ざわついてた教室が一瞬静まった。中野にとってはそんなことはお構いなしだ。
「でさ、同じ中学のよしみで携番とアドレス教えてよ。」
幸哉は思わず噴出してしまった。
「なんだ、それ。別にいいけど。」
すっかり中野のペースにはまる。幸哉は笑いながら鞄から携帯を取り出して中野と赤外線通信で登録する。
登録したことに満足した中野は、じゃまたな。といって他の生徒の携番を聞きに席を立つ。
幸哉はくすりと笑い鞄に携帯をしまう。

日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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