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BL妄想モード勃発中! トキメキMAXで、随時更新中! 甘く切なく艶めいていく男の子達を ぜひ見てやってください! ~BL(ボーイズラブ)に嫌悪を抱く方の閲覧はご遠慮ください。18禁です。
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「あのさ、」
本を読んでいた彼は自分に声をかけられたのか確かめるように幸哉の方を振り向く。
「何?」
振り向いた彼は、外の光をまとってキラキラと輝いている様に見え幸哉はドキリとする。
彼は不思議そうにみつめる。
「あのさ、俺、大野幸哉。名前、聞いてもいい?」
「涼川 要」
涼川はぶっきらぼうに答えた。その声は張りのある聞き心地がいい。
「大野って」
 本を閉じながら幸哉の顔に視線を向けた。
「駅前の天屋書店でバイトしてるよね。」
 思いもかけない言葉に幸哉は嬉しくなった。
「うん。1年の時から。なに、よく来るの?」
「家から近いし品揃えがいいからね。」
 涼川は読んでいた本を鞄にしまう。
「涼川、バイトは?」
そういいながら涼川に視線を向けるがその涼川の視線は自分の先に向けられている事に気付く。
幸哉は「何?」といいながら振り向いた。そこには女子が3、4人立っていた。女子達は涼川と幸哉の話しの隙間にいつはいろうかと思っていたようだ。女子達は互いをつつきあい誰が聞くのよ。と言いあいをしていた。一人の女子が勇気を振り絞って涼川に話しかけた。
「あの・・・涼川君!携帯の番号って教えてもらえるかな?あとアドレスも、もしよかったら」
 女子は顔を赤くしていた。固唾をのんで返事をまっていた。
幸哉は女子に囲まれて席を追いやられそうになっていた。
涼川は一瞬、目つきが変わったがそれに気付いた女子は一人もいなかった。
目を伏せて困ったようなしぐさをみせる。
「ごめん、携帯もってないんだ。」
 女子達はエッー!うそ~!と口々に言う。その返答に涼川は再び謝る。
「ごめん。」
その言った後、悪びれもなく笑顔を女子に向ける。
少なくとも女子達にはその笑顔で十分なお詫びになったはずだ。
女子達は「もってないんじゃしょうがないね。」「じゃ、またね。」といいながらすごすごと席に戻って行った。
涼川は小さくため息をついた。それをみていた幸哉はたずねる。
「涼川、携帯もってないの?」
「そんなことないよ。ただ教えたくないだけ。」
 幸哉の目をじっと見つめながら明らかに面倒くさそうに返答する。
「ふ~ん」
 幸哉は自分の想像とは違うこの態度に少なからずムカつく事となった。
「教えたくないなら、教えたくないって言えばいいじゃん。」
 要は幸哉の真っ直ぐな意見に驚いた。
「大野って正直者なんだな。」
 そういってニヤリとする。幸哉にしてみればからかわれた感が否めない。
「涼川、お前バカにしてんの?」
 目線だけを幸哉に向ける。
「そんなつもりない。僕の正直な意見。」
 要は困ったように目を軽くつぶった。小さく息をはいて幸哉の瞳を見つめる。
少し癖のある涼川の態度が妙に幸哉には引っかかった。踏み込んでは行けない気もするし、踏み込んでみたい気もしている。
 「悪かった。ついカッとなって。」
 幸哉は片手で後頭部をガシガシとかく。少し照れた頬はピンクに上気していた。
そんな様子を要は細めた瞳の奥に焼き付けていた。幸哉はそんなことよりといいながら自分の椅子を要の机の側まで寄せる。
「なんか書くものあるか?」
 幸哉は手で書くフリをする。
「今日、授業ないから何にも持ってきてないんだよ。俺。」
 だからさ、かして。といいながら要の机の上に両手をパンと乗せ軽く頭をさげる。
要は鞄からシャーペンとノートを出し、そのノートの端をちぎろうとすると幸哉はそれをとめた。
「書いても平気な場所開いて。」
 要は言われた通りに一番後ろのページを開く。幸哉はそこに自分の名前と携帯の番号とアドレスを書き始めた。
ノートから顔を上げて要を見る。
「気が向いたらメールで教えてよ。送ってこない限りは二度と聞かないよ。」
幸哉はノートを閉じて要に渡した。要は素直に受け取った。
「じゃ、これからもよろしくな。」と椅子を元の自分の席へがたがたと戻した。
ノートとシャーペンをしまいながら要は『変なヤツ』と思っていた。
ちょうどその時ほぼ全員の携帯番号とアドレスの交換に成功した中野が意気揚々と戻ってきた。
中野は要の携帯番号とアドレスを聞いてない事を思い出し視線を向けた。

その時教室の前方の扉がガラガラと開く音がした。
中野は担任の姿を確認し思わず「げっ、田辺センセ!!」と非難めいた声を上げる。その声に気付いた担任は中野を名指しで釘をさす。
「おう~。中野、また1年ビシバシしごくからな。覚悟しとけよ!」中野は机につっぷした。教室中が笑いの渦となる。
幸哉は中野の背中をポンポンと叩き「ご愁傷様でした。」と慰めの言葉をかける。その様子にも笑いを誘う。ただ一人を除いては。要は教室の出来事に関心を示さずただ教室から4月の空を眺めていた。

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