恋愛LEVEL6 恋の囁き心の呟き Love Step3

「あっ、智。これ智にあいそうだね。」 
手に取ったＴシャツは鮮やかなコバルトブルーのＶネックのＴシャツだった。 
―どこかで見たような・・・。 
「おっ、これって大野が着てたのに似てる。」 
「ふ～ん．．．。」 
手に取っていたＴシャツを棚に戻し、すたすたと別の棚に移動する。 
―機嫌、悪くなってる？？ 
「佳之？」 
近くによって顔を覗き込む。不機嫌そうな瞳に涙がたまっていた。 
「えっ？なんで？」 
フイッと横を向く。 
「よ、佳之？怒ってる？」 
「怒ってない。」 
―怒ってんじゃん．．．。あっ！大野か．．．。急いで取り繕う。 
「別に全然関係ないからな！勘違いすんなよ？」 
佳之の肩を抱き寄せる。それでも佳之は不安そうな顔をする。 
「佳之。信じてくれ。本当になんでもない。」 
上目遣いで智弘をみる。 
「本当だね？」 
コクコクと頷く。 
「わかった。」 
―くぅーーー！やっぱカワイイな。 
「じゃ、こっちは？」 
多分、機嫌が直った佳之が手にしたＴシャツは黒地に大きく赤い文字で『ＬＯＶＥ』と書かれていた。 
―アハハハ…。まだ怒ってるのか？佳之？ 


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