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「遅い!!」
海の家に戻ると叔母が腰に手を当て仁王立ちで二人の帰りを待っていた。
「悪い。」
「すみません。」
一応愁傷に謝ってみせる要だったが幸哉にやんわりと拒絶された不満が残っているため不機嫌なその態度がありありとでていた。
「たくっ・・・。まあいいわ。じゃ、残りあと1時間がんばって仕事してよ?」
二人は頷いた。ビーチの人影はだいぶ減ってきているように思えたが、それでもざわついた空気は変わらない。二人は持ち場について残りのバイトの時間いいようにこき使われたのだった。夕方5時の声を聞く頃にはビーチの人影は数えるほどとなっていた。
「終わった~。」
二人は最後の1時間をこま鼠のように働きやっと開放された。
「二人ともご苦労様!あがっていいわよ!」
二人はげんなりしながらやたら元気な叔母を見つめた。
「何でそんなに元気なんだ?」
「あら、夏は私の季節なのよ?当たり前でしょ?この後はもう何もないから遊んでいいわよ。明日帰るんでしょ?」
幸哉の顔が晴れ渡った。
「本当ですか?!」
「うんうん。だって今日は幸哉君、誕生日なんでしょ?」
「えっ?何で知ってるんですか?」
意外な人から意外な言葉が出てきて驚いた。
「ヨウちゃんから聞いてるわよ。友達が誕生日なんだって。」
うれしさで胸が一杯になる。要に飛びつきたい衝動を必死で抑えた。
「ヨウちゃんの生エプロンが見れないのは惜しいけど、それはまた来年ね。」
「やるか!!」
「またまたぁ~!幸哉君も見たいよね?ヨウちゃんの生エプロン。」
幸哉は指をくわえて「見たいかも・・・。」とポツリと呟く。要に睨まれて小さくなる。
「じゃ、俺たち少しぶらぶらして帰るから。」
歩きかけた要に叔母が思い出したように呼び止めた。
「あっ、今日うちのチビ達、ヨウちゃんの部屋で泊まるって言ってるからよろしくね~!!」
振り向いた要は驚きのあまり目を見開く。
「エーーーーーーーー!!!!!!」
じゃ。といって叔母は奥へ入ってしまった。
「か、要?平気?」
振り向いた要の顔は冷たく冴え冴えとした瞳になっていた。それを見た幸哉は後ずさりをする。
今度は幸哉が青ざめる番だった。
そんなことはお構いなしに要は幸哉の腕をわしづかみビーチへ引きずっていった。
「ちょっ、要!落ち着けって・・・!」
「ヤダ。」
振り向きもしない。
さっきセックスしてればきっとこんな事にはならずに済んでいたかもしれない。
幸哉は半分あきらめて半分期待をしてついていく。
昼間にいった場所と逆に歩いて行くとそこはちょっとした公園になっていた。松の林は海からの風に煽られて皆が同じ方向を向いていた。
その少し先には灯台がある。高台に佇む白い灯台はそろそろと海に近づいていた太陽の最後の光りに照らされ朱色に変化していた。それをみた要は大声で叫んだ。
「幸哉!急げ!」
手を離し灯台に続く道を息を切らしながら走っていく。太陽が沈んでしまわないように祈りながら走る。
登切った頂上は視界が開け一面オレンジに染まっていた。
白い灯台は真っ赤に染まり回りの草花もその影響をうけて眩しいほどだ。息をきらしたまま二人は灯台の先まで歩いて行った。荒い呼吸のまま岬の先端にたどり着いた二人は感嘆の声をあげる。
「すごい・・・!綺麗だ!!」
「あぁ・・・、綺麗だ。」
見渡す限りの海原に風が吹くたびに白波が立つ。太陽の赤い色にそまりながらキラキラと反射していた。

恋愛LEVEL5 恋が愛に変わる時 11 へGO!
日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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