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辺りがそろりと夕闇が迫り、気がつけば智弘の携帯の時計は7時近くを指していた。
佳之は泣きつかれて智弘の膝の上で眠ってしまった。すやすやと眠る佳之は純粋無垢な天使の寝顔だ。顔にかかる髪をそっと指でよけてみる。形の良いすこしふっくらとした唇がなんともいえず挑発的だった。
―そういえば一度キスしてるんだよな。こいつと…。かまれたけど…。
智弘はそんな事を思いながら佳之の唇に指を押し当ててみる。弾力のあるその唇は触るとすぐに戻されてくる。
ふわふわとマシュマロのような感触に軽く理性が飛びかける。智弘は唾をコクンと飲み込む。一向に佳之は起きる気配がない。
―今ならいける!
妄想と欲情が智弘を支配しかけたその時、試合終了のホイッスルが鳴り響いた気がした。
パカッと目が覚めた佳之は近づいた智弘の顔面に後頭部を思いっきり食らわすこととなった。ガツッと鈍い音を立てて智弘は退場となった。
顔面を両手で押さえ涙を堪えた。佳之も後頭部に片手をあてながら何があたったのか模索していた。顔面を押さえている智弘をみて慌てて謝る。
「ごめん!中野!大丈夫?」
「いや、平気、平気。」
―たははは…。罰が当たったかな…。
佳之は鼻をさすっている智弘を眺めていた。
「ん?どうかしたか?」
視線に気付いた智弘は佳之の穏やかな顔を見つめた。
「いろいろ迷惑かけちゃったな。と思ってさ。」
少し照れたように俯いた佳之に智弘は大いに首を振った。
「別に何にもしてねーよ!俺が勝手にやってるだけだ。」
「それでも、やっぱり迷惑かけた。」
佳之は真っ直ぐな瞳の智弘みつめた。
「僕にできることがあったら言って。」
隣に座る佳之の白い細い指に自分の黒く日焼けした手を重ねる。
「たはは…。これじゃオセロの駒だな。」
言いながら佳之の手の甲に唇を近づける。
「今は、これでいい。」
佳之は顔を赤くしながら俯いた。
「あ、いや、ごめん。調子に乗った。」
智弘は手を離そうと引いた瞬間、佳之の手が力を込めた。そのまま近づいてきた佳之の唇が智弘の頬に触れる。
柔らかなマシュマロの感触を智弘は感じた。嬉しさのあまり呆然とする。
「ごめん!今はこれぐらいしかできないけど、いつかきっと」
と言って俯いた。智弘はあまりの嬉しさに二の句が告げず佳之はその行動に恥ずかしくなり俯いたままだ。二人は少しずつ視線を絡めていく。
繋がれた気持ちはもう離れることは無かった。

恋愛LEVEL4 恋は寝ても覚めても 3 へGO!
日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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