[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
期末テストも終わり学校中が夏休みという言葉に浮かれ騒いでいる様子を横目で
不機嫌そうに幸哉は眺めていた。
隣に座る智弘が携帯を見ながらふと思い出した様に幸哉に話しかける。
「大野。そういえばお前もうすぐ誕生日じゃね?」
ふと智弘がそんな事を言ってきた。
「そうなんだよ!7月19日。なんかくれんの?俺、ピアスほしいんだよね。」
と言って銀の輪の小さいピアスを軽くはじいた。
「ばーか!まだ涼川に殺されたくないね。」
目を細めて幸哉をにらんだ。
「ちぇ。じゃ、なんで知ってんだよ!俺の誕生日なんか。」
少し膨れっ面になりながら智弘を睨んだ。
「携帯登録したときにプロフィールもらったじゃん。」
「へぇ~・・・。そうなんだ。」
フフン!といって智弘は得意顔になる。
「文明の利器を舐めんなよ!」
携帯の中身を見せびらかす。その時、佳之がB組の扉に立っていた。
「中野!」
教室の入り口からA組の佳之がニコニコしながら顔を覗かせた。途端、智弘の顔がほころぶ。
「佳之!どうしたんだよ!」
ものすごい嬉しそうに席をがたがたと立ち佳之のいる方へ駆け出した。
「ちょっと、いいかな?」
「いいも悪いもねぇよ。どうした?」
ちらりと幸哉へ視線を送り廊下へでた。
「ちぇ。なんだよ中野の奴。」
ぶつぶつ文句を言いながら携帯電話をいじっていると興奮した智弘が戻ってきた。
「聞いてくれよ!大野!」
ものすごいテンションがあがって帰ってきた智弘は嬉しく嬉しくてしょうがないって感じで話し始めた。
「今週、土曜に佳之とサッカー見に行く事になった!!」
「へ~。あの言ってたヤツか。チケット完売しちゃって手に入らないって。」
「そーなんだよ!佳之の親父さんが取引先から貰ったとかで、それを貰ったんだってよ!俺の為に!」
興奮しきった様子の智弘に幸哉は少し羨ましく思った。
最近、幸哉達は試験勉強やら幸哉のバイトやら、要の部活やらであんまりゆっくり会う事ができず鬱憤がたまっていた。
デートすらろくにしてなかった。少し拗ねた思いは思わず口からでてしまった。
「ふ~ん。友達より家蔵をとるんだな。お前は。」
「フン!あったりまえ!」
さも当然、と言ってもうそうわそわし始めた。そんな智弘を放って幸哉は5時間目の教科書をだした。
「じゃな!大野!」
いそいそと支度をして智弘は部活へと走っていった。最近はサッカーにも真剣に打ち込んでいるようでエースとして期待されているようだ。
その要因となっているのは佳之の存在が大きく影響していた。
あれから二人は清く正しい交際を進めているようでなんだか幸哉は羨ましかった。
幸哉は教科書を鞄にしまい帰る準備をし、要の席に向かった。
「要、今日は部活?」
少し遠慮がちに幸哉は尋ねた。
「今日はミーティングだ。幸哉はバイトだろ?」
「ん・・・。そうなんだけど・・・。」
教室を少し見渡す。何人かまだ教室で話をしているのが目にとまった。ふぅ~、と小さく息をはいた。
要は幸哉の心中など知るはずもない。
「じゃ、行こう。」
要は支度がすんだ鞄を持ち幸哉の脇を通り過ぎた。
―今日、会いたいな・・・。
なんとなく言えずに飲み込んでしまった気持ちは心の底無し沼に沈んでしまった。
先を歩く要の後ろを幸哉はゆっくり着いていった。←ランキング参加中!よろしくお願いします。ゆっくり堪能して下さい!O(^ー^)oエイッ!
恋愛LEVEL5 恋が愛に変わる時 2 へGO!
日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |