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要は自分の鞄に手を伸ばし何かを取り出す。
「幸、誕生日プレゼント。」
そう言って取り出したのは流星をイメージしたシルバーのピアスだった。
受け取ったピアスの裏に文字が刻まれていた。星の明りと少しの街灯に照らしながら読み取る。
―eternity 永遠 Y&K
幸哉がほしかった言葉だ。
「要・・・。うれしい・・・!ありがとう!ずっとはずさないよ。」
そのまま溢れる気持ちで要を抱きしめた。堪えきれない涙とともに。
「着けてやる。」
優しく耳に触れピアスホールへ差し込みそこに唇で触れる。
「もう一つは俺が持ってるから。着けれないけど。」
「うん。」
二人は抱き合ったまま暫く星空に包まれていた。手を延ばせばそこには瞬き輝く星が無数に存在していた。
「幸、体を綺麗にするからちょっとまってろ。」
「う・・・うん。」
ぐったりと横になる幸哉に軽くキスをする。しばらくして固く絞ったタオルをもった要が戻ってきた。
その時には幸哉はもううとうととしていた。
要は手慣れた様子で隅々まで綺麗にしていく。その後で幸哉にTシャツなどをきせ、ひいておいた布団へ運んだ。
「幸・・・。」
布団に寝かせすやすやと眠る寝顔を見ていた。要は幸せに満ちていた。
シャワーを浴び新しい服に着替え眠っている幸哉の頬にキスをする。
「さてと・・・。」
だるい体を起こして玄関へ向かう。虫の声が幾重にも重なりあい星の瞬きと共に夏を演出していた。
母屋へ向かった要は勝手口からするりと中に滑り込む。
台所には物置場と化しているダイニングテーブルあり、回りを囲む数席の椅子の一つに叔母である美由紀がビールを片手に要が来るのを待っていた。扉が開いた音に気付いて視線を向ける。
「終わった?」
俯いた要のその表情は満足していた。
「ああ・・・。」
短く返事をしながら美由紀から少し離れた席に座った。
「ビール飲む?」
問われて苦笑いを返す。
「いいのかよ。未成年に酒すすめるなんて。」
「今更あんたがそんな事言うわけ?要君。」
目を細めてニヤリと笑う。
「昔の事だろ・・・。」
そう言いながら冷蔵庫からよく冷えたビールを1本取り出しプルタブを開ける。勢いよく圧縮された空気がプシュッと音をたてる。
「じゃ、要君の恋愛の成功を祈って乾杯。」
少し高く缶を上げて揶揄するように言う。
「ひどいな。まるでうまくいかないようにって、聞こえるんだけど。」
クスクスと忍び笑う。
「女の子とセックス出来なくても男の子とセックス出来るって結構いいかもね。子供も出来ないしね。」
視線を落とした美由紀は床の継ぎ目を眺めていた。
「この間、由香子ちゃんにあったわよ。2人も子供連れてた。」
「ふ~ん・・・。」
その名前を聞いた要は冷えたビールの缶の冷たさを通して全身に虫唾が走った。美由紀は天井を仰いでクスクスと笑う。
「あの時はひどかったわね。あの娘のせいで要君は女の子とセックス出来なくなっちゃったんだもんね。当の本人は全く暢気なもんよね。」
残りのビールを煽って飲み干した。
「別に。どうでもいい。」
空き缶をグシャリと握り潰す。俯きながら要は椅子から立ち上がった。
「俺ら明日、昼前に帰るから。」
「ふ~ん。そうなんだ。ユキヤ君がそんなに大事?」
ギロリと睨む。
「余計な事するなよ。」
「おー、こわ!別に何もしないわよ。大事な甥っ子の幸せ壊すほど暇じゃないもん。」
空き缶をごみ箱に放り込む。
「美由紀さん。今回の泊りの事には御礼を言うよ。」
びっくりした美由紀は危うく缶を落としそうになった。
「どうしたの!?御礼なんて!明日雨降るわよ!」
照れ臭そうに視線を外す。
「いいだろ!礼ぐらい言う時もある。幸哉が夕日を綺麗だって言ってくれたから・・・。だから・・・。」
逃げ出すように勝手口に向かった。そんな要を美由紀は嬉しそうに見つめた。
「要、変わったね。幸哉君のおかげ?」
ドアノブに手をかけて振り向く。
「あいつのお陰だ。だからもう離さない。おやすみ。」
勝手口の扉がパタンと閉じる。「ふ~ん、そっか・・・。」最後の一口を煽り飲み干した。
恋愛LEVEL5 恋が愛に変わる時 16 へGO!
日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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