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BL妄想モード勃発中! トキメキMAXで、随時更新中! 甘く切なく艶めいていく男の子達を ぜひ見てやってください! ~BL(ボーイズラブ)に嫌悪を抱く方の閲覧はご遠慮ください。18禁です。
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―同日放課後
授業の終わりと同時に智弘は要に詰め寄った。
「佳之の…、家蔵の自宅知ってたら教えてくれ。」
要はムッとした表情を隠そうともせず智弘を一瞥した。
「なんで。」
素直に教えてくれるとは智弘は思ってなかった。
「俺、やっぱり佳之を諦められない。」
真っ直ぐに要の瞳をみつめた。
要は深いため息をついて自分のノートを一枚ペリペリと破き簡単に地図を書いて渡した。
「はい。」
智弘は満面の笑みを浮かべて「サンキュ!」といって教室を一目散に走っていった。
途中何度も躓きながら走っていく。
どんよりと覆われた厚い雲は雨の兆しを感じさせていた。
智弘は佳之に会いたい一新で要に聞き出す決心をした。本当に教えてくれるとは正直思ってなかった。
要に感謝をしながら一心不乱に走っていった。
智弘は下校途中の生徒たちを掻き分けながらグランド脇を走り抜ける。
「おーーーい!!中野ぉーーーー!!部活はぁーーーー!!!」
走り行く智弘の姿を見つけた海津が口に両手を当てながらメガホン代わりに叫んでいた。
智弘は走りながらグランド中央へ大声をあげる。
「休む!!!!」
そう一言いってまた全力で走り出した。一刻も早く佳之に会いたかった。
数え切れないほどの生徒にぶつかり謝ったか知れなかった。
全速力で走っても気持ちだけがあせりいつまでたってもたどり着けない気がしていた。
桜池大通りは桜池公園と住宅街に挟まれた通りでそこには無数の脇道が存在していた。
そのうちの一本の脇道に入っていく。入り込んだ道は車1台が通れるほどの幅しかなかった。
通りの両脇は住宅街になっている。その通りを息を切らしながら走り抜ける智弘の姿があった。
額に大粒の汗をかきながら一心不乱に目的地を目指していた。その目標となる公園が見えて
きた。佳之の自宅はその公園の近くにある。
そこにはブランコと滑り台と砂場があった。真ん中には大きな桜の木が一本植えられていて、周り
は柵で囲われておりその柵を囲うようにベンチがいくつか設置されていた。
智弘はわき目も振らず走っていたが、公園を少し通り過ぎた時、気がついた。
そのベンチの人影に。足を止めて荒くなった呼吸と大粒の汗をどうにか宥めようと肺をフル活動させた。
『桜公園』と書かれた門柱に手をかけ寄りかかりながら息を整え手の甲で汗を拭う。何度も何度も空気を吸い込み、ようやく話せるくらいに落ち着いてきた。
―試合中だってこんなに真剣に走った事がなかったな…俺…。
智弘はそんな事をふと頭の片隅で思った。最後に深呼吸をする。
新鮮な空気が智弘の体の中に入り、両頬をパンッと叩き気合を入れる。
「よしっ。」
試合の前に必ずやる弦担ぎだ。一歩一歩ゆっくりと近づいていく。
人影のすぐ横につき深呼吸をする。
「佳之。」
俯いていた佳之は人の気配に気付いてなかった。自分の名前を呼ばれびっくりし顔を上げる。
そこに智弘の顔を認め驚きの表情となった。
「中野…。」
座ったまま佳之は信じられなものでも見たかのように目を見開く。
智弘はそのまま中腰になり佳之の肩に手をおいた。佳之に視線を合わせる。
そして深呼吸。
「好きだ。」
智弘は佳之の耳元で精一杯の気持ちを込めて囁いた。肩に置かれた手は熱く智弘の気持ちそのままだ。そして壊れ物を扱うように優しく、それでいて力強く背中に腕を回す。
「な、中野??」
「好きだ。」
絡みついた腕を佳之は無理矢理解こうとはしなかった。
佳之の腕も自然と智弘の丸くなった背中に回された。智弘は顔を離し佳之の肩に手をのせ瞳を見つめた。
「俺はサッカーしか取り柄が無いし、頭も良くない。けど佳之を守る自信がある。」
佳之は智弘の真摯な瞳に吸い込まれていく。濃い茶色の瞳には佳之しか写ってなかった。両肩の手から熱い智弘の気持ちが伝わってくる。
そんな智弘を見ることがつらくて佳之はゆっくりと俯いた。
「僕は・・・涼川が忘れられないかも知れない。こうしている今も涼川と大野が一緒にいるかと思うと胸が締め付けられるんだ・・・。」
言いながら佳之の瞳から静かに一粒流れ落ちた。目の前の智弘を通り越して要へ気持ちを馳せている。
「俺は、今、目の前にいる佳之が大好きだ。」
智弘の素直で真っ直ぐな気持ちの言葉は佳之へと投げ込まれる。
「俺を好きになってくれなんて言わない。だけど佳之の逃げ込める唯一の場所になりたい。」
智弘の言葉はただ1点を取る為の思いだ。
「俺が傍にいることを忘れないでくれるだけでいい。つらかったら俺の傍で泣けばいい。だから」
佳之の瞳はいつの間にか智弘の瞳に向けられていた。
「俺が傷つくのを見たくないなんて言うなよ。俺は絶対に負けないから。」
「中野…。」
佳之は今まで痞(ツカ)えていた思いを吐き出すように智弘のシャツを鷲づかみにし号泣した。
智弘は地面に両膝をつき、佳之を優しく包み込んだ。大きな手で佳之の頭をゆっくりとなでて行く。
その度に佳之は湧き出る涙を溢れさせていた。
「俺が傍にいるから。絶対に離れないから。」
繰り返し佳之の耳元で囁いた。

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