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「あ、あの、要・・・?」
背中に回した腕をはずして回れ右で一目散に逃げるはずが案の定腕をつかまれて動きを封じられてしまった。
「お仕置きだな。」
冷たい瞳はキラリと輝く。
「な、なんで!」
一応抵抗を試みる。
「何度言ってもわからないならお仕置きしかないだろ?」
口元だけが少し笑ったように見えるだけでその先には冷たく輝く瞳がある事を幸哉は知っていた。幸哉は要のこの理不尽な態度に今までの鬱憤をぶちまけた。
「何だよ!別にイチ先輩とはなんとも無いって知ってるじゃないか!」
一度堰が切れた思いはもうとめる事はできなかった。
「要だって部活で忙しいからってずっと会ってくれなくて、休みの日も忙しいって言って最近はデートもしないじゃないか!」
まるでただの駄々っ子だが、幸哉は淋しい胸の内をぶちまけたかった。幸哉の腕をつかみながら言い分に耳を傾けていた。
「言いたいことはそれだけか?」
ところがあっさりとそしてばっさりと切り捨てた。幸哉はその言葉に張り詰めていた糸がプツッと切れた。
「もういい!要なんか俺の事なんかほっといて弓道でもなんでも勝手にやってればいいじゃないか!!」
腕を激しく振り回し腕を外そうともがく。幸哉の額には汗がうっすらとにじみ涙もうっすら盛り上がっていた。どれだけ腕を振ってもどれだけ涙を浮かべても今日の要は一向に動じなかった。
黙ったまま幸哉の腕を引っ張り歩き出した。
「ヤダ!どこに行くんだ!離せよ!」
抵抗しながらもずるずると要に連れられて行く。ふと視線を前に移すと要の背中のワイシャツは汗で濡れていた。それが何を意味するのか幸哉にはなんとなく判った。多分ずっと外で待っていてくれたんだと。だがそれとこれとは話が別だった。
要が向かった先は桜池公園だった。
今の時期は夏の夕涼みを楽しんでいる人達が何人かいたがみんなそれぞれ自分の事で一杯みたいだ。要は人の目を気にせずに幸哉の腕をひぱってずんずんと奥に歩いていった。
桜池公園の周りはカエルの泣き声がどこからとも無く幾重にも重なって聞こえてきていた。来年当たりは蛍を放す計画があるらしく着々と工事が進められていた。
気がつけば大桜の下まで来ていた。
―あの休憩所でもしたんだよな・・・。って、まさか!
「ちょっ・・・!まてっ!要!」
焦りからでた言葉はなんとか要に届いた。振り向いた要は今だ不機嫌で冷たい視線をしていた。
「ダメだ。待たない。」
案の定取り付くしまもない。幸哉は要の横柄な態度も好きだけど今日はそれが鼻についていた。
「何で、何でそうなんだよ!」
幸哉はその場で力一杯反抗する。
「俺は要と一緒にいたいだけだ!俺の誕生・・・。」
言いかけてやめた。要に気付いて貰いたいと心のどこかで意地になっていた。。
「何言ってるんだ?こうしているじゃないか。」
「チガウ!要わかってないよ!」大きく首を振る。
「何がわかってないって?」
グイッと腕を引き寄せられ体が密着する。腰に手を回されより密着し高い体温が汗ばんだワイシャツごしに浸透してくる。
「幸の事なら何でも知ってる。どこが一番感じるとか、どこを触ると感度が増すとか。」
いいながら顔を耳元に埋めてくる。生暖かい要の吐息が掛かるたび意識が蕩けてしまう。
幸哉の意識が遠のきそうになる。
-久し振りだから、ヤバイ・・・。堕ちる・・・。
恋愛LEVEL5 恋が愛に変わる時 5 へGO!
日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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