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要の芳香を堪能している幸哉は抗う事すらままならなくなっていた。抵抗しなく無った幸哉から体を離し、腕を引っ張り再度大桜の休憩所に向かって歩き出そうとしたその時、見知った二人がやはり同じ様に大桜の方へ向かって歩いて来た。ぎこちない歩き方の二人はどことなく初々しい感じが漂っていた。
互いに視線を少し絡めてはまた離すといった具合だったが二人はしっかりと手を繋いでいた。幸哉の様に要に一方的に引っ張られたりしている訳ではない。
ふと向こうの二人のうち一人が幸哉に気がついた。
「大野!、と涼川・・・!」
顔を赤らめた中野智弘は握っている佳之の手を外すどころか更に強く握りしめた。それに呼応するかの様に佳之も握り返しまた二人は視線を絡める。幸哉はそんな二人を羨ましそうに眺めていた。
一方的に迫られて堕ちてしまう自分とは違い二人の愛情の深さを目の当たりにした幸哉はいたたまれなくなった。
「まさかお前らあの休憩場に行くのか?」
それは困ると言わんばかりの智弘の口調を要は無視して歩き出した。が、幸哉の足が前に出ることはなかった。
「幸、どうした?」
俯いたまま幸哉はぽつりと切れた。
「要のバカー!」
緩んだ腕を振りほどいて走って行った。振りほどかれた要の腕がパタンと落ちた。要は立ち尽くす。
―何なんだ!アイツは!今日は話があるから待ってたのに!
怒りに震える要は自分達の邪魔をした智弘に向けられた。ところが智弘はそんな事お構いなしに要に聞こえるように話した。
「あ~。大野かわいそ。アイツ悩んでたぜ?誕生日の事何にも言ってくんないって。」
―何!!人の気も知らないで!
智弘を一瞥して「じゃ。」と短くいやいや伝えた。要は幸哉が走って行った方へかけていった。
二人が行った後には智弘の含み笑顔が残っていた。
―許せ。大野。
智弘は佳之に向き直ると大胆にも腰に腕を回して引き寄せた。
「と、智弘!だめ・・・!」
唇を奪われた佳之は言葉とは裏腹に呼応するように応じた。重なった唇からは少しずつ吐息が漏れていく。
「まだ、だめか?佳之・・・。」
そう言った智弘は思い止まった。そして大きく首を横に振った。腰に回した腕を解いて自分の両頬をパチッと叩く。
「ゴメン!待つって約束したのに・・・!」
俯く智弘に少し戸惑いながらも手を延ばし佳之は腕に絡み付いて肩に寄り掛かる。智弘は驚いて佳之を見る。
―僕は、本当はもう智弘の事・・・。
さっきの要も見ても何も感じなかった佳之は決心をした。
「今度のデートの後・・・、家に・・・、よければ泊まりに来ないか?両親が親戚の法事でいないんだ。だから・・・。」
真ん丸く見開いた智弘の瞳はそのまま固まった。
「智?」
目の前に手のひらをヒラヒラさせる。その手を智弘は掴み腰に回しぐっと近づけてさっきよりも深く長いキスをした。
初めて智弘は佳之の中に舌を滑らせた。今まで味わった事の無い感覚はすぐさま智弘をパンクさせた。
―すごい!!頭の芯がジンジンする。たまんねぇ~・・・、ってまてよ・・・。この先がわからない・・・。どうしたらいいんだろ・・・。
舌は佳之の口内を探っているが一向に先に進まめない。智弘は仕方なく愛しい佳之の唇を離した。
「智。大丈夫?」
覗き込んでくる佳之の瞳は心配そうに見つめていた。
―たははは・・・。心配掛けちまってる。よし!今度の土曜までいろいろ調べ尽くしてやる!
佳之の肩をガシっと掴んで決意を新たに表明する。
「佳之!俺、がんばる!」
一人夜空の星に誓いを立てる智弘だった。←ランキング参加中!気にって下さったらポチっとよろしくです!O(^ー^)oエイッ!
恋愛LEVEL5 恋が愛に変わる時 6 へGO!
日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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