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治療費を支払い要の場所へと戻ってきた。
「幸哉、お前よく金あったな。」
財布を鞄にしまいながら答えた。
「ん。俺んち両親とも働いてるから何かあった時のために少し多めにもたせてもらってるんだ。それにバイト代もらったばっかだし。」
だから大丈夫。と言って、親指を立てた。
「保険証は明日にでも持ってきてくれって言ってたぞ。」
要に肩を貸しながらそう伝えた。
「サンキュ。」
要はまんじりともしない気持ちでいた。
さっきの甘い雰囲気はもう陰も形もなくなっていた。幸哉はいつもの幸哉にもどっている。
それがまた要としては悔しくもあった。何の為に1週間幸哉との接触をたっていたのか。
そう、幸哉に自分を意識させるためだった。その結果、いい所まではいっていた。
幸哉が要に対しての気持ちを認めさせるには十分だった。ただその後が悪かった。
保健室では中野に邪魔をされ、今しがたは病院のアナウンスに邪魔をされた。
幸哉に見えないように要は反対の手を握り締め拳を震わせていた。そしてまた不穏な企みをシナリオに追加していく。
そんな企みを練っているとは知らない幸哉は要の肩が震えているのに気が着いた。
「要、足、つらいのか?」
自分の決意の拳のせいで肩が震えているとは言えず言葉を濁す。
「あ、いや。平気だ。それより、幸哉。」
「ん?何?」
振り向いた幸哉の顔は満面の満点笑顔だった。要の胸をもぎ取っていった笑顔だ。この笑顔にだけは要は勝てなかった。
「俺の携帯番号登録してくれた?」
幸哉は1週間前に送られてきた要のメールを思い出した。
「あっ・・うん。登録した。」
小声で付け加える。「あ、ありがとうな。教えてくれて。」
要は今まで見せた事のないにこやかな笑顔をむけた。
「メール、送ってこいよ。」
にこやかな笑顔の下には、なんで送ってこないんだ?という言葉が隠れていそうな気がしてしまう幸哉だったかそこはすんなり受けておいた。
「するよ。」
満面の笑顔での下に少し引きつった笑顔が見え隠れする幸哉だった。←ランキング参加中!ありがとうございます!おかげさまでBL小説50位以内です!
日々妄想中!胸キュンな話を書いていけたらいいなって
思ってます。
末永いお付き合いを・・・。
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